十年に一度のキリスト受難劇 (その2)
昨年の 2020 年は世界中で大きなお祭りが中止になりました。そんな中でドイツのバイエルン州の南西にある オーバーアマガウ村で 10 年に一度開催されている受難劇も中止となりました。実は、昨年この教会カレンダー にて、丁度その時期に、この記事を載せました。「今年 2020 年を逃したら次の受難劇は 10 年後ですよ」などと 書いて皆様に勧めてみたりしたのですが、何と中止となってしまいました。こんなことは初めてだそうです
――― 17世紀、ペストの大流行 ―――
昨年から世界中、新型コロナのパンデミックの中にありますが、この受難劇も 17 世紀にヨーロッパを襲った 伝染病ペストに起因しています。ドイツ 30 年戦争の最中(1632年)、 その村人は、感染を恐れて今後一切「村へは誰も入れない、村から誰も出さない」ことを取り決めました。そう とは知らないある村人が村の教会のお祭りに合わせて、よその村から帰って来ました。ところが村には入れませ ん。彼は番人の目を盗み、家に帰ります。彼はその時すでにペストに感染していました。その結果、家族全員の みならず、3 週間のうちに 84 人もの死者を出してしまいました。
――― 受難劇の始まり ―――
生き残った村人たちは、皆教会に集まり神に「ペストから村を救って欲しい」と祈り、神に誓いました。「あ なたが受けられた激しい苦難を、劇にしてこれから 10 年ごとに上演します。」その誓い通り、1634 年の聖霊降臨 日にペストで亡くなった人々の墓の上に舞台を作り初演を開催したのでした。
――― 次回の上演は2022年 ―――
それ以来 10 年に一度、今まで 380 年に渡って上演し続けています。奇跡的ですね。今ではオーバーアマガウ の人口の約半分に当たる 2500 人が演技、オーケストラ、コーラス、裏方等に関わって、村を上げての一大イベ ントになっています。その時期は多くの人が仕事を休んでしまうそうです。そして、今では世界中からこの受難 劇を観に人々がやってくるようになりました。それにしても昨年チケットを買われた方は残念でしたね。でも 2022 年には上演の予定だそうです。1 日も早くコロナが収束するように祈りましょう。 聖書のことば「あなたがたは・・主が来られるまで主の死を告げ知らせるのです。」

第コリント11章26節