注文の多い料理店

 

 食欲の秋もいよいよ深まり、あたたかな鍋物が恋しくなる季節となりました。

皆さんはいつも神様に感謝していただいていますか。

――― 山奥のレストラン ―――

 宮沢賢治の「注文の多いレストラン」読んだことありますか。このお話のなかに二人の紳士が登場します。二人は森に入り、狩りをしながらこんな話をしています。「鹿の横っ腹に、2、発お見舞いしたら、ずいぶん痛快だろうねえ。くるくるとのたうちまわって、それからどたって倒れるんだ。」それにしても残酷な会話ですね。

 やがて二人は山奥に入って行き、道に迷ってしまいます。ところがそんな山の中に1軒のレストランを見つけます。すっかりお腹がすいていることに気づいた二人は早速その店に入るのでしたが、何か様子がおかしいのです。店員の姿が見えないし「肥ったお方を歓迎します」と書かれていたり、更に「身につけている物をはずしてください」とか「クリームを顔や手足に塗ってください、体を塩でよくもんでください・・・」と、次々に注文されるのです。

――― どんでん返し ―――

 この店は「よくはやっているからなんだ」と二人は勝手にセルフサービスと思い込んでいたのですが、やがてこの店は来た人に西洋料理を食べさせる店ではなく、食べられるのは自分たちなんだ、と気がつきます。なんと西洋料理店で彼らを待っていたのは山猫だったのです。間一髪、彼らの連れていた猟犬が山猫と闘い、彼らは救われます。

――― 感謝しよう ―――

 さて私たち、いつも何気なく食べているお肉も魚も、彼らのたった一つのいのちをいただいているということに気づかなければなりませんね。お食事の時、自然に感謝し、神様に心から感謝していただきましょう。

 

聖書のことば

「二つのことをあなたにお願いします。私が死なないうちに、それをかなえてください。・・・貧しさも富も私に与えず、ただ、私に定められた分の食物で、私を養ってください。」 箴言30章7、8節