秋の夜長の季節
暑さ寒さも彼岸までと、昔から人々に言い伝えられて来ました。この時期になると昼間は暑くとも、夜になるといままでの暑さはありません。そして、10 月の教会カレンダーが皆さまの所に届けられる頃「秋分の 日」には昼と夜の長さが逆転して、いよいよ秋の夜長が始まります。
今までは、ネオンの十字架がタイマーで午後 6 時には点灯していたのですが、今は午後 6 時を過ぎると、 かなり空も暗くなって十字架も見えにくくなって来ています。点灯時間も変えなければなりません。こんな 作業をする時も季節を感じてしまいます。
――― 夜の自然音楽会 ―――
秋の夜長の季節は、芸術の秋、コンサートの季節です。でもすでに夜の暗い世界では自然の音楽会が始まっています。夜、外に出ると和地山の街中でも「秋の夜長を鳴き通す」さまざまな虫の鳴き声が聞こえてき ます。
――― かんたんの夢 ―――
リーンリーンのスズムシ、チンチロリンのマツムシ、さらにコオロギの仲間でよく家の中まで入ってきて、どこかでルルル・・・とやさしく、夢の世界に引き込むような音色で鳴いているカンタンなどが活躍してい ます。このカンタンは、男がつかの間の夢を見て、人生のはかなさを覚えたとかで「邯鄲(かんたん)の夢」 の故事ですが、ここからこの虫の名がついたとも言われています。あまりにも優しくはかない音色かも知れ ませんが、やがて迫りくる冬を前にして、最後のいのちを燃やして歌っている自然音楽界に、しばらく耳を 傾けてみたいですね。
神様は秋の夜長、こんなに素晴らしい音楽会を開いて下さいました。この世界の創り主に心から感謝しま しょう。
――― 美しい秋 ―――
最後に、まばたきの詩人と言われた、水野源三さんの「美しい秋」です。
夕映えに咲く コスモスの花を 見ましたか
月明かりに鳴く スズムシの声を 聞きましたか
美しい朝を 美しい秋を 創られた主を 知っていますか 聖書のことば。「息のあるものは みな 主をほめたたえよ。ハレルヤ。」詩篇150篇6節