奇跡を願わなかった2人の母親

北欧の小さな町、そのはずれに粗末な馬小屋がありました。その町には、その馬小屋をめぐって1つの言い伝えがありま した。それは年に 1 度、クリスマスの夜、しかも 1 人だけ、その年に生まれた赤ちゃんを馬小屋の飼葉おけに寝かせると、 たちどころに癒されるとのことでした。

さて、ある年のクリスマスの夜、町の人々は馬小屋に奇跡を見に集まってきました。しかし、その年に限って誰も来ませ ん。不思議に思った御使いの 1 人は 1 軒 1 軒家を尋ね回りました。すると、生まれつき目の見えない赤ちゃんの家を見つけ ました。更に行くと、小児マヒを患う赤ちゃんの家がありました。

御使いがそれらの家に近づくと、それぞれの両親の声が聞こえて来ました。「私たちは『あなたの隣人を愛しなさい』のみ ことばに従おうじゃないか。この子にはすまないが、連れていくことはしないようにしよう。」

もう 1 つの家の両親も話し合っていました。「私たちは人の幸せを奪ってまで、自分の幸せを願うことはやめよう。これか らこの子と共に苦しみを負っていこうじゃないか。」

その夜、人々がみな寝静まっても、悲しみに耐えながらじっと赤ちゃんを見つめる2人の母親の姿がありました。その時 です。それぞれの母親の涙がポロリと赤ちゃんの上にこぼれました。すると赤ちゃんのひとみはそれを待っていたかのよう に輝いたのです。又、やせ細った赤ちゃんも癒されて、元気に歩き出しまた。

クリスマスの夜「自分だけ」の道を捨て、「愛」の道を選んだ両親に神の祝福が満ち溢れていました。

聖書のことば 「あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。」

ルカ 10 章 27 節